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街の意外な憩いの場 -野次馬-

2010年01月15日

年末に町内会の掃除に参加したところ、近くにある大手スーパーの商品券1,000円が渡された。私は、自宅から最寄りのスーパーのため普段そのスーパーを利用している。やや照明が暗いかな、と感じることはあるが、商品の値段やモノは他の近所のスーパーと変わらない(休日には比較的買い物に行くこととチラシを見ているので近隣スーパーの値段も大体頭に入っているつもりである)。私自身はありがたいと思っていたところ、その場での会話で面白かったのは、年配の人たちが「このスーパーは利用しないから……」と言っていたことである。

自宅の徒歩圏内にはスーパーが5件ある。そのため、それぞれの好みにより利用されているのだろうが、その人たちは、一番遠い大手スーパーを利用していた。たしかに、そこは、照明は明るく感じられ、営業時間も長く、さらに試食コーナーやフードコート、本屋が併設されているなど、最近の流行ではないのだろうがなんでも揃っており便利ではある。しかし、何故わざわざ一番遠くのスーパーに行くのか理解できなかった。そこで聞いてみると、スーパーを選ぶ基準に私では想像もつかない考え方があることを知った。

最寄りスーパーにも飲食店や店舗などが併設されているが、店内に入る構造になっているのに対して、一番離れたスーパーはフードコートがあり、その周辺にも、ベンチが設置してある。フードコートでちょっとした飲食をすること自体も楽しみなようだが、ベンチがあるところでは、会話の機会があること、フードコートには子供連れが多く見ていて楽しいこと、にぎやかな感じ、などが、そのスーパーに行く理由のようだ。
年配の人たちで、町内の行事に参加していることから比較的社交的な人たちが多いと考えられるが、スーパーへ行く理由の一つに会話の機会があることが重要な要素としてあることは新鮮であった。

年が明けてから挨拶を兼ねて居酒屋に行った時、そのスーパーの話をした。ある男性は「あのスーパーは生鮮3品が新鮮だ」「あそこは○○系列になっている」などスーパーの商品や企業について話していた。そこに店主が「年末、アイスクリームを食べていたら、おばあさんに声かけられて、一緒にそばを食べてきたわよ。私はアイスクリームを食べるのが好きで行くけど」。

一時期、「アメニティ」という言葉が流行り、スーパー周辺整備やスーパー内にも子供の遊び場所が作られたなどの話題があったと記憶するが、景気低迷の影響か、最近はほとんど聞かなくなった。まるで忘れられた言葉のようだ。スーパーを選択する際に距離や値段を基準とするのではなく、街の憩いの場としての基準もあるようなので、近々意識をして見に行こうと思っている。

Written by 野次馬

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