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ドラマ「再生の町」を見て思ったこと -White-

2009年11月13日

先日のドラマ「官僚たちの夏」に続き、今回は「再生の町」というドラマを紹介したいと思います。

このドラマは今年8?9月にかけてNHKにて、全5話で放送された社会ドラマです。中途採用された市役所職員の視点から、市役所の財政難や、それにまつわる様々な地域社会の問題を捉えています。市の財政破綻を防ぐため、一律15%カットの予算案を策定する中で、主人公は、地域における様々な問題に直面します。都市開発は推し進めるのに、福祉は切り捨てて良いのか、病院サービスはどう維持するか、開発に関わる族議員にどう対処するのか、など。

ここ数年、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(略称:財政健全化法)」の流れを受けて、地方自治体で財務諸表を作成する動きが広がっています。昨年度決算、即ち今年度から各地方自治体は、一定の基準(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4つの指標)のもとに早期健全化団体や財政再建団体の指定を成されるようになりました。

財務諸表が作成されることで、住民にとっては自分が住んでいる町の財政状態が見やすくなった訳ですが、その反面、財政の厳しさが浮き彫りになることで、自治体破産の可能性がこれまで以上に現実味を帯びて来ており、地方自治体の財政再建が我々住民にとって、より身近な問題になって来ています。

私が住んでいる町でも最近、財政再建を理由に市民体育館が一部民営化され、サービスが有料化されました。既に一般ごみの回収が有料化(専用のゴミ袋を購入)されていますが、段々、行政サービスの有料化の流れに飲み込まれ、生活しづらくなることを感じています。一方で、市民の視点で見た時に財政的に不要な事業が、まだ多くある気がしてなりません。

夕張市のように、自分の身に直接、財政負担が降りかかるまでは、あまり自分に関係する問題としては捉えにくい面もありますが、自分が住む町の取り組みを観察してみると、様々な問題も見えて来ます。

このドラマの内容は地味ですが、そういった、地域の身近な社会問題を、身近な家族との関わりを交えながら、自分自身の問題として捉えられるよう、上手く表現しており、何処の町でも起き得る、他人事とは思えない内容と感じました。

サラリーマンの方ほど、なかなかこういった地域社会の問題に接する機会が少ないと思いますが、もし再放送される機会があれば、是非ご一見をお勧めします。


Written by White

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