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人を見れば豚と思え? -ニアプライム-

2009年05月22日

5月16日に神戸市の県立高校生の豚インフルエンザへの国内感染が確認されて以来、兵庫、大阪で感染者が急速に増えている。日本の大動脈である東海道新幹線に乗って首都圏にウイルスが持ち込まれることは時間の問題とみられてい
たが、その前にNYから帰国した女子高生2人の感染が確認された。成田空港で既に39度の発熱があったにもかかわらず、簡易検査をすり抜けたのだから空港の検疫も余り当てにならない。

海外に比べ感染者拡大ペースが早い理由には諸説あるが、やはり人口密度の高さが一番とみられる。弱毒性で海外ではマスクをしている人は皆無に近いといわれており、日本の豚インフルエンザに関する報道は過熱し過ぎ、日本人は過剰反応との批判もある。しかし、首都圏の勤労者は満員電車を使って平均片道64分もかけて通勤しており、感染リスクは諸外国に比べ格段に高い。都心のオフィスビルではマスクをしている外国人を見かけるし、日本人だけが臆病とはいえないだろう。そもそも人は初めてのものを恐れるものだ。豊臣秀頼は成人してから初めて牛を見て怖がったという(豚ではない)。それを伝え聞いた徳川家康は押並べて人は初めてのものを恐れるもので、それをもって臆病とか愚か者とはいえないと語ったということだ。

厳しい経済環境の中、東京での豚インフルエンザのパンデミックを回避するために、政府には経済活動に配慮したバランスの取れた対策を望みたいところだが、個人レベルでできることは何だろうか? やはり、マスク、手洗い、うがいが基本だろう。電車の中でマスクをしている人は、筆者が見る限り20日までは10人に1人よりは少なく、20人に1人よりは多いといった程度だったが、21日以降は10人に1人以上に増えたような気がする。気をつけていると電車の中で咳やくしゃみをしている人は意外に多く、残念なことにそういう人に限ってマスクをしていない。社会全体としては、感染していない人がマスクをするより、感染している恐れのある人がマスクをする方がはるかに重要である。

電車の中で心掛けたいことをもう一つ挙げると、つり革につかまらないということだ。ウイルスの危険3大ゾーンは、カラオケ屋のマイク、公衆電話の受話器、電車のつり革といわれる。公衆電話はほぼ絶滅したため、一般人が日常的に触れるもので最も危険なのは電車のつり革ということになる。つり革につかまらず、電車の揺れに合わせて体勢を保つバランス感覚を養いたい。何事もバランス感覚が重要なのである。

Written by ニアプライム

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