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ストーンヘンジは何ですか?-Julien-

2009年04月10日

鯨 統一郎(くじら とういちろう)という変わった名前のSF、ミステリー作家がいる。誰かと間違われると嫌なので誰もつけないという名前を考えたとのことである。その術中に嵌まったのか、奇抜な名前と本のタイトルに惹かれて、古本屋で偶然手にしたのが彼のデビュー作である「邪馬台国はどこですか?」であった。カウンター席だけの地下のバーで才色兼備で新進気鋭の歴史学者である早乙女静香と在野の研究家らしき、うだつのあがらない宮田六郎なる人物が口喧嘩をしながら歴史検証バトルを繰り返し、邪馬台国の場所、聖徳太子は誰か、明智光秀の謀反の動機、キリストの復活の事実、などを解き明かしていくというユーモア・歴史ミステリー短編集である。

これに嵌まってしまい、続編である「新・世界の七不思議」を直ぐに購入して読んだ。そのなかにある「ストーンヘンジの不思議」が特に面白かった。結論をいうと、ストーンヘンジが作られた目的は太陽崇拝の祭祀場、古代の天文台、ケルト民族のドルイド教徒の礼拝堂など、諸説紛々あるが、これを作ったとされる古代ケルト人が最も怖れた、空が頭の上に落ちくてるのを支える装置であると推定する。

そしてなんと驚くなかれ、われわれの身近にもストーンヘンジはあるというのだ。それは神社にある鳥居である。もともと神社の起源である磐境(いわさか、サカは神の鎮座する区域)、磐座(いわくら、クラは神の座る場所)というのは大きな岩、つまり巨石のことで、神社建設が始まる前は、この磐座祭祀が中心だった。その入り口にある鳥居はストーンヘンジの巨大なトリリトン(2本の立石の上部に水平に天井石を乗せた石組=三石塔)が日本に伝わり変化したのだと推理する。鳥居の語源はトリリトンが鳥居に姿を変える過程で、言葉もトリイに変化したというものである。今は木の鳥居が圧倒的に多いが、それは日本の気候に合うように変化したのだという。確かに、永仁2年(1294年)に造られた日本最古の石造りの大鳥居が大阪四天王寺にあることを考えれば、あながち荒唐無稽な説とは言い切れない。

さて、支えるという意味では、100年に一度の災いが天から降ってきた今、オバマ米大統領だけに頼るのは問題であろう。成長回復のためにあらゆる必要な行動をとるとG20首脳会合でも確認されたが、日本の政治家も政争に明け暮れているのではなく、日本、いや世界を支える鳥居となる気概で政治に臨んで欲しいものである。

Written by Julien

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