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黄金分割比 -K.S-

2009年03月19日

黄金分割比とは、1対0.618(1.618対1、0.618対0.382も全て同じ)の比率。古代からピラミッド、パルテノン神殿、ミロのヴィーナスなどの美術・建築に使われてきた。身近なものでは名刺やはがきの縦横の比率、自然界(植物等)でも数多く見られ、最も安定した美しい比率と言われている。株価は森羅万象あらゆるものを織り込んで形成されていると言う考え方に立っているのか、株価の戻り測定や大相場の後の下値目途等に0.618(61.8%)、0.382(38.2%)の比率が使われることが多い。

本年3月に、日経平均株価が昨年10月の安値を下回り26年振りとなる安値(3月10日7,054.98円)をつけた。正確に言えば引け値ベースの安値であり、昨年10月28日のザラ場の安値(6,994.90円)はかろうじて上回っている。なぜ、ザラ場の安値を持ってきたかというと、今回の上昇相場の高値も引け値では07年7月9日の18,261.98円だが、ザラ場の高値は2月の18,300.39円。個別銘柄とは異なり、平均株価や指数の場合は引け値を使用するのが一般的ながら、ザラ場で見ると、07年2月の高値18.300.39円から08年10月の安値6,994.90円までの下落率は、ちょうど61.8%の下落率となる。日経平均の引け値ベースではわずかにとどかず、TOPIXのザラ場ベースでは61.7%の下落と、わずか0.1%ほどカイリしている状況。

古今東西の株式市場において、0.618や0.382で下げ止まったというような例がどれだけあるかは知らない。原稿を書いている間にも、また日経平均株価がもたついてきた。まだ不安定で、黄金分割比で大底を打ったというには早計かもしれない。テクニカル分析では、08年10月の安値から本年3月の安値の間につけた9,500円近辺の高値を上回れば、一応W底確認と言うことになるのだろうか。若干気になるといえば、売買高やテクニカル指標面で3月10日の安値はクライマックスとしては物足りない(昨年10月が安値の方が納得できる)ところか。

私も、かなり昔に黄金分割比やそれから派生したエリオットの波動理論等に出会ったが、これまで、それほど意識して使ってきた訳ではない。信じるもよし、信じないもよし、の比率だけれども、黄金分割比の0.618、の水準で今回大底を打てば、自然界の不思議な力を少しでも信じてみようかなと考えている。黄金分割比が破られたら、次は薬品で有名な大阪道修町が発祥といわれる「半値八掛二割引」なのか?

黄金分割比とは、ある直線ABをCで2分したとき、長い線ACと短い線BCの比率、直線ABと長い線ACの比率が同じで、共に1対0.618となる比率。1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233———の数列(フィボナッチ数列)において、並んだ3つの数値で3番目の数値が前の2つの数値の合計(8=3+5—233=89+144)となり、2番目の数値を3番目の数値で割ると限りなく0.618に近づく(3÷5=0.6、5÷8=0.625、8÷13=0.615—–144÷233=0.618)不思議な数値。

Written by K.S

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