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新たな癒し、かもす -Smily Smily-

2008年12月26日

菌類(きのこ、カビ、酵母)はバクテリアではない。
「菌」といえば似たような名前から「細菌(バクテリア)」と間違えやすい。
乳酸菌や納豆菌、大腸菌というのも細菌なので菌類とは異なる生物群である。

現在では細胞構造や生理的特長、DNAによる系統解析などの研究から、菌類は植物より動物に近いことが判明しているそうだ。

実はきのこも菌類のかたまりだという。
世界初の抗生物質・ペニシリンはもっとも一般的なカビであるアオカビ属の一種を培養したものである。
人類の誕生以前から存在する菌類に私たちは多大なる恩恵を受けてきた。

日常では麹菌が身近である。
醤油や味噌、日本酒を口にするとなぜかホッとするのは日本人ならではだろう。

そういえば実家では母が味噌を手作りしていた。
冬、蒸した米(故郷では麦)をもろぶた (もちつきなどの時に使う蓋のない木の箱)に敷き、人肌にさめた米に麹菌を混ぜ室温で寝かせる。
一昼夜ほどして菌が万遍なく付いたら塩と大豆のミンチとともに瓶に移し熟成を待つ。
発酵させる間、冬の室内にはほのかな香りが漂い、ほろ酔い気分の心地よさに包まれる。
癒しにも似た、まさに醸し力。

国立科学博物館にて「菌類の不思議?きのことカビと仲間たち?」1月12日まで開催。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2008/mysterious_fungi/index.html
学術的な内容にもかかわらず、設営は手作り感にあふれ窮屈さは感じない。

来場者は口々に「かもす、かもす」と連呼していた。
醸しにはよほどの癒し効果があるらしい・・・。

おびただしい数のきのこ標本も圧巻だった。


Written by Smily Smily

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