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頑張れ! 原監督 -ニアプライム-

2008年05月02日

休日にふらりと入った近所の美容室は、スポーツ新聞が置かれていたりして、美容室というより床屋のような感じだった。一人の客もいなかった。しまった。へたこいたぁと思ったが、逃げることもできず、気が付けばシャンプー台に座っていた。
美容師のおばちゃんは気さくで芸能人話などをしているうちに、その店のオーナーが読売巨人軍の篠塚バッティングコーチの奥さんということが分った。篠塚コーチと仲良しの原監督も月に一度はカットにくるという(やっぱりお友達内閣だったのだ)。筆者は強いて言えば阪神ファンだったが、おばちゃんは鋏を持っていたので、その時から巨人ファンになった。

巨人は前年リーグ最下位のヤクルトからエースと4番を、4位の横浜から抑えの切り札を引き抜くという破廉恥な戦力補強を行ったにもかかわらず、スタートダッシュに躓き、借金を抱えたまま4月を終えた。原監督の苦悩は察して余りあるが、読売グループにとっても巨人戦の4月の月間視聴率(関東地区)が10.4%と過去最低を更新したのは頭の痛い問題だ。かつて当り前のように20%を超えていた巨人戦の視聴率は2000年に年間平均で20%を下回って以来、ほぼ毎年一貫して下がり続け、2006年、2007年は2年連続でキー局のゴールデンタイムの最低合格ラインとされる10%を下回った。
例年、開幕当初の4月が最も高いため、今年も10%割れは確実だろう。居酒屋のTVで流れる巨人戦を肴にサラリーマンが野球談義に花を咲かせるという光景は東京では恐らく5年以上前に絶滅している。

視聴率の低下に加え、視聴者層がスポンサーには最も魅力のない購買行動が硬直化したM3(50歳以上の男性)に偏っているため、野球中継にはスポンサーが付きにくい。CM単価の高い自動車、通信などの優良なスポンサーには敬遠され、入れ歯安定剤、育毛剤メーカーなどに限定される。キー局にとって巨人戦の中継はキラーコンテンツからただのお荷物になり下がっている。これ以上視聴率低下が続けば、巨人戦を地上波で観ることは困難になるだろう。

しかし、巨人戦の視聴率はほぼ底に達したと、筆者は高校球児のようになった頭で考えている。理由は高齢化の進展と格差拡大だ。年をとると新しいことに興味が薄れ、よく知っているものに安心感を覚えるようになる。ストーリーの分りきったNHKの大河ドラマの安定した高視聴率がこの証左だ。高齢化の進展は在宅者の増加につながることや、拡大する下流層にとって地上波はタダ同然のありがたいレジャーであるため、低下傾向が続く総世帯視聴率(HUT)自体に歯止めがかかるだろう。既にこうした傾向は関西や地方で表れ始めている。出足で躓いた巨人だが、セ界の戦力格差は歴然であり、いずれ物量がものをいうだろう。巨人が勝とうが、負けようが視聴率にはほとんど関係がないだろうけど、頑張れ、原監督!

Written by ニアプライム

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