メニュー

アナリストコラム一覧

アナリストの知識や経済・業界動向、活動の中で感じた問題意識など幅広い視野でとらえた情報を不定期に『アナリストコラム』を通じてお客様にお届けいたします。

  • 2023/12/01
    2024年の株式市場の注目点 ―脱デフレの株式相場が始まるー -原田哲也-
    当たりもしない来年の株式相場について述べてみたい。元来予想は当たらない(未来は分からない)と公言しており、日経平均〇〇まで上昇といったことを言うつもりはない。来年の株式市場に影響を与えそうな要素についていくつか取り上げて、過去の経験則も含めて考えを整理することは全く無駄ではないと思うからである。 先ず、日本株に最も影響のあると考えられる米国の景気、金利そし...
  • 2023/11/28
    バリュエーション面では既に割高!! -藤根靖昊-
    日経平均株価は、24日に一時3万3,817円まで上昇し、7月3日に記録したバブル後の最高値を更新しました。米国・欧州の株高を好感した動きであり、FRBの利上げ局面が終わったとの見方の広がりと、イスラエル/ハマスの人質交換のための停戦による心理面での好転によってもたらされたと思われます。 しかしながら、前回も述べましたが、TIWが算出している日経平均株価の妥...
  • 2023/11/21
    アナリスト予想EPSは2Q決算前と比較して減少している -藤根靖昊-
    日経平均株価は、TIWが算出している「日経平均株価の妥当レンジ」のレンジ上限を上回る状態が続いています。17日時点では上限値を1,685円上回っており、乖離が一段と広がっています。実際の株価はこの妥当レンジの上にも下にも振れることがありますが、いずれはレンジ内に回帰してきます。現在の日本株の上昇は、米国株高に連動した面が強く、バリュエーション面からは高値警戒...
  • 2023/11/14
    米長期債利回り低下による楽観は、いずれ“暗転”する -藤根靖昊-
    6日にFRBが発表した7-9月期の米銀の融資担当者調査(SLOOS)において、全体の76%が商業用不動産向け融資基準を3カ月前と比べて「かなり厳しくした」あるいは「厳しくした」と回答しました。7日にニューヨーク連銀が発表した7-9月期のクレジットカード延滞率(30日以上の延滞)は前年同期比17%増加し、8.01%と12年ぶりの高水準となりました。米国全体のカ...
  • 2023/11/07
    ベアマーケットラリーに惑わされるな! -藤根靖昊-
    31-1日の米FOMCは市場予想通りに政策金利は据え置かれました。パウエル議長は、必要に応じて今後再び利上げに動きうる、と釘を刺しましたが、このまま利上げが休止されるとの見方が市場では強まったようです。3日には米10年国債利回りは4.5%台にまで低下し、ダウ工業株平均は週間で1,643ドルの大幅上昇となりました。 先週の米株市場の大幅高は、1)FOMCの政...
  • 2023/11/01
    ハワード・マークスの「投資で一番大切な20の教え」より ―賢い投資家になるために―(後編)-原田哲也-
    逆張りをする ・周りと同じ事をすれば、そうした人々や自分自身の行動が一因となって増幅する変動の波にさらされことになる。その大波が断崖に押し寄せているときに、群衆と行動をともにするのは間違いなく危険だ。しかし、それを避けるには並外れたスキル、洞察力、規律が必要なのである。 ・幅広い投資家層に明白だと思われていることは、ほぼすべて間違っている。ある投資につい...
  • 2023/10/31
    なし崩し的なYCC修正はさらなる円安を呼ぶか? -藤根靖昊-
    日銀金融政策決定会合(30-31日)において、長短金利操作の再修正が行われました。前回(7/27-28)に0.5%をメドとし、債券買い入れの上限を1.0%としておりましたが、メドを1.0%とし、長期金利がそれを超えることも容認し、国債買い入れは柔軟に行う方針が示されました。 また、31日公表の日銀「展望リポート」において物価見通しを、23年度2.5%→2....
  • 2023/10/24
    米長期金利上昇は米国(ドル)への信認低下か? -藤根靖昊-
    19日に米長期金利(10年債)は一時5%台を付けました。同日のパウエルFRB議長の講演において、追加利上げのカードを温存したとの見方から投資家がリスク回避の動きを強めたとの市況解説がありましたが、果たしてそうでしょうか? パウエル議長は講演でタームプレミアムに関して言及をしました。長期金利は主に政策金利の見通しとタームプレミアムで構成され、タームプレミアム...
  • 2023/10/17
    中東情勢次第による市場乱高下はまだ続く -藤根靖昊-
    イスラエルによるガザ地区の完全封鎖と総攻撃の表明によって、中東情勢は緊迫感を強めました。ただし、イスラエルの過剰防衛に対する米国をはじめとした国際社会の批判から、民間人の避難を確保すべく、イスラエル側の総攻撃にはまだ至っていない状況です。18日にはバイデン米大統領がイスラエルを訪問することが伝えられており、打開に向かうことを期待します。 先週は、地政学リス...
  • 2023/10/10
    本日の大幅急騰は売り方のポジション解消の可能性があり、追従は危険 -藤根靖昊-
    7日にイスラエルに対して、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが多量のロケット弾を撃ち込むと同時に侵入攻撃をしました。これにイスラエルが対抗し、ガザ地区への空爆を行うとともに、ガザ地区の完全包囲を開始し、電力、食料、燃料などの立ち入り禁止を発表しました。また、8日にはレバノンの親イラン武装勢力ヒズボラがイスラエルへの攻撃を行うなど、戦線が広が...
  • 2023/10/03
    米経済指標は良くても悪くても市場はネガティブに反応 -藤根靖昊-
    米政府機関の閉鎖は避けられないとみられておりましたが、30日に一転、45日間の予算執行を認める“つなぎ予算案”が上下院で成立しました。共和党のマッカーシー下院議長は共和党内の反対派に賛成を求めるのではなく、民主党に譲歩することで民主党から賛成票を引き出す手法を採りました。苦肉の手段ではありますが、このことによって今回のつなぎ予算が期限切れとなる11月中旬頃に...
  • 2023/09/28
    ハワード・マークスの「投資で一番大切な20の教え」より―賢い投資家になるために―(前編)-原田哲也-
    今回(と次回)は少し趣向を変えてハワード・マークスの著書「投資で一番大切な20の教え」を参考に彼の投資の考え方を紹介したい。 このコラムを読まれている皆さんは株式投資について経験豊富な方も多いとおもいますので、この本を読まれた方もいると思いますが、読まれていない方は一度手にとってみてはいかがでしょうか。参考になる点が多々あると思います。 さて、ハワード・...
  • 2023/09/26
    環境変化はまだ大きくないが、市場センチメントは悪化が続きそう -藤根靖昊-
    20日の米FOMCは、予想通り政策金利は据え置かれました。経済見通し(SEP)において政策金利予想は、23年末5.6%(6月時点5.6%)と変わらず、年内にあと1回の利上げを参加者19人中12人が予想しているという内容でした。また、24年末は6月の4.6%から5.1%へと0.5pt引き上げられました。これは24年前半に利下げに転じる可能性は低いことを示唆して...
  • 2023/09/19
    欧米中の経済が弱含む中で日本株の独歩高はあり得るのか? -藤根靖昊-
    先週は、米国株式は原油価格の上昇、米長期金利の上昇、全米自動車労組のストライキ入りなどを受けて愚図ついた展開となりましたが、日本株は日経平均が週間で927円(+2.8%)上昇しました。それ以上にTOPIXの上昇率(+2.94%)は高く、年初来高値を更新しました。 日本株の上昇は、円安進行による輸出採算の回復、それに伴う企業業績見通しの上方修正への期待、中国...
  • 2023/09/12
    ECB・FRB・日銀の動静によっては小波乱も -藤根靖昊-
    14日にECB理事会、来週19-20日にFOMC、21-22日に日銀金融政策決定会合と主要中銀の政策決定会合が続きますが、いずれも波乱を含んでいるように見受けられます。 7日発表のユーロ圏4-6月GDP改定値は前期比+0.1%と速報値(+0.3%)から後退し、7-9月には再びマイナスに転落する可能性がでてきました。欧州のインフレ率はピークアウトしているもの...
  • 2023/09/05
    ジャクソンホール会議通過による楽観もそろそろ終わりか?-藤根靖昊-
    先週の株式市場はNYダウ工業株が(前の週から)490ドル、日経平均株価が1,086円と大きく上昇しました。ジャクソンホール会議を通過したことによって、市場の不安が後退したことに加えて、足もとに発表された米経済指標が弱含みであったことにより、米国債利回りが低下したことが要因でした。 8月29日発表の米雇用動態統計(JOLTS・7月)においては非農業部門求人件...
  • 2023/08/31
    中国不動産バブルの崩壊が始まった ―日本の株式市場への影響は?-原田哲也
    中国の日本化、つまりは日本の失われた30年の追随、がいよいよ始まったようだ。 不動産大手が次々と破綻の危機に瀕している。恒大集団に続き、碧桂園が米ドル債の利息を払えず、2023年1-6月期の最終損益が500億元(約1兆円)程度の赤字に転落したと発表した。中国メディアは同社が近く債務再編に乗り出すと報じている。 中国の不動産調査機関によると2022年の不動...
  • 2023/08/29
    9月FOMCの政策金利見通しまでは穏やかな(膠着的とも言う)市場が続く、小型成長株に勝機がありそう!-藤根靖昊–
    ジャクソンホール会議のパウエル議長講演(25日)は結果からしてみれば“無風”だったと言えそうです。講演前に大幅な下落が生じて波乱含みではありましたが、講演後に下落前の水準に戻したことから、結果的には市場の杞憂に終わった形でした。注目点の一つであった「中立金利」への言及も、“正確に捉えることは難しい”として距離を置き、データ次第で柔軟に政策運営を行うことの重要...
  • 2023/08/22
    米国の「中立金利」上昇に注目が集まる=FRBは引き締め長期化に向かうか?-藤根靖昊-
    先週は中国と米国の要因を中心として国内株式も弱含みに推移しました。 中国要因としては、7月の主要統計(15日:工業生産、社会消費品小売総額、固定資産投資)がいずれも弱含んでいたこと、7月の新築住宅価格(16日)、新築取引面積(16日)の下落・縮小に加えて、17日には不動産大手の中国恒大集団が米国で連邦破産法第15条の適用を申請しました。第15条は米国籍以外...
  • 2023/08/15
    中国経済の減速が顕著化、米国も信用収縮によるリセッション懸念が残る-藤根靖昊-
    中国の経済減速が誰の目にも明らかになってきた。9日発表の中国貿易統計(7月)において、前年同月比で輸出▲14.5%、輸入▲12.4%といずれも2桁減でした。9日発表の7月の中国消費者物価指数は、前年同月比▲0.3%と21年2月以来のマイナスとなりました。同日発表の卸売物価指数では▲4.4%と6月(▲5.4%)よりは上向いたものの10か月連続のマイナスでした。...
TIW マガジン「投資の眼」TOPへ戻る