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アナリストコラム一覧

アナリストの知識や経済・業界動向、活動の中で感じた問題意識など幅広い視野でとらえた情報を不定期に『アナリストコラム』を通じてお客様にお届けいたします。

  • 2023/06/28
    上昇するPERの時代的背景 ―これからの投資家に必須なものとは― -原田哲也-
    1990年代以降(国によってはそれ以前から)、世界の主要国・地域のM2(年末12月の平残)の伸びは名目GDPの伸びを恒常的に上回ってきている。 M2/名目GDPの推移をみると 米国は1997年がボトムで47.3%→2022年84.2%。 日本は1994年ボトムで104.1%→2022年217.9%。 ユーロ圏はデータが取れる1995年が60.8%→2...
  • 2023/06/27
    ここから先の円安は、日銀の金融政策修正観測を惹起させる -藤根靖昊-
    22日に英イングランド銀行は市場予想(0.25%)を上回る0.5%の政策金利の利上げを行いました。政策金利が5%に達するのは2008年以来です。しかし、英国の消費者物価指数(5月)は前年同月比+8.7%と高止まりしており、さらなる利上げが予想されます。また同日にはスイス国立銀行、ノルウェー中銀も政策金利を引き上げましたが、追加利上げの可能性が示唆されておりま...
  • 2023/06/20
    円安が海外投資家の積極投資を促している可能性~植田総裁発言にはご用心 -藤根靖昊-
    注目されたFOMC(13-14日)では、利上げを見送り、11会合ぶりの据え置きとなりました。しかし、ドットプロットにおいては23年末の政策金利の予想は前回(3月)の5.1%から5.6%へと0.5%引き上げられました(市場予想は0.25%の引き上げ)。しかし、市場ではタカ派に配慮したタカ派の演出という見方もあるようであり、その為、FOMC直後は株価を押し下げる...
  • 2023/06/13
    株式市場は危ういバランスの上での強気優位、それでも乗るか、それとも降りるか! -藤根靖昊-
    米国金融市場では5月のISM非製造業景況感指数(5日)が前月比▲1.6ポイントの50.3と22年12月以来の水準に低下したことから13-14日のFOMCでは利上げは見送られるとの見方が強まりましたが、6日にオーストラリア準備銀行が一時利上げ休止後に2会合連続となる利上げを、7日にカナダ銀行が休止していた利上げを再開したことから、FRBの利上げは継続するとの...
  • 2023/06/06
    日経平均株価はファンダメンタルでは上限水準に到達、市場センチメントは強気が持続するものの来週のFOMCを視野に週後半は利確の動きか?-藤根靖昊–
    5日の東京株式市場では前週末のNY市場の高騰を受け、日経平均株価が終値で3万2000円台に到達しました。前回の当コラムで「現在のコンセンサス予想を基準にするならば日経平均株価32,000円が上限」と述べましたが、企業業績見通しが上方修正されない限りは、上限水準に到達したと考えています。コンセンサスDI(日経平均採用銘柄の予想EPSが前週比でプラスになった企業...
  • 2023/05/30
    日本の株式市場の先行きを占う -原田哲也-
    ―30年ぶりのフォローの風が吹き始めた― 日経平均が31000円を超えた。33年ぶりの高値だと連日マスコミをにぎわしている。株式評論家と称する人々は背景について色々コメントをしている。東証(及び金融庁)のPBR1倍割れ銘柄に対する改善要請への企業の対応策(自社株買いなど)、植田日銀の金融緩和継続見通し、日本が出遅れた分だけ今後の経済再開への期待が高まる等な...
  • 2023/05/30
    米景気減速が強まることで円安は株高材料から再びネガティブ要因へ -藤根靖昊-
    27日にバイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長は、懸案であった米債務の上限を引き上げることで合意しました。合意内容は、1)2025年1月1日まで上限の効力を停止する、2)24年会計年度において社会保障を除く「裁量的支出」の国防費を除いた金額を23年度とほぼ同じ水準とし、25年度も1%増にとどめる、3)低所得者向け食糧支援は対象年齢を49歳から54歳以上...
  • 2023/05/23
    危うい高値更新、ここからは小型成長株にポジションも -藤根靖昊-
    まずは前回と同様に19日時点のアナリスト・コンセンサス予想を確認したいと思います。19日時点の今期ベースの予想EPSは1,779.99円(前週比+16.14円)、これは3月末時点(来期)では1,773.79円でした。来期ベースは1,932.36円(同+15.70円)、これは3月末時点(再来期)では1,925.85円でした。僅かではありますが決算発表前(3/3...
  • 2023/05/16
    コンセンサス予想EPSからは日経平均3万円は正当化できるが・・・・ -藤根靖昊-
    3月期決算が出そろいました。12日時点のアナリスト・コンセンサス予想EPSは、従前予想(3月31日時点)との比較ではほぼ同水準でした。12日時点の日経平均株価の今期ベースの予想EPSは、1763.85円、3月末時点(来期)では1773.79円でした。来期ベースの1916.66円は3月末時点(再来期)では1925.85円でした。筆者も含めて、今期(23年度)の...
  • 2023/05/09
    米地銀の信用不安と債務上限問題が市場を揺らす -藤根靖昊-
    5月2-3日の米FOMCでは市場予想通り0.25%の利上げが行われました。声明文には「追加策がどの程度必要かを決定する際には、これまでの金融引き締めの累積的な効果や経済や物価に時間差で与える影響を考慮する」と示され、利上げ停止の可能性が示唆されました。ただし、パウエル議長は記者会見において追加利上げの可能性に含みを残しました。 米地銀の信用不安は1日にファ...
  • 2023/05/02
    米FOMCの結果によっては株価は大きく上下に振れる可能性も -藤根靖昊-
    先週の米国株式市場は、インフレ高止まりが懸念される経済指標が多かったことや、マイクロソフトやメタといった一部の企業を除けば決して好調とは言えない企業決算が続いたにもかかわらず、堅調に上昇しました。 24日には米地銀のファースト・リパブリック・バンク(FRC)から大量の預金流出があったことが公表され、地銀に対する信用不安が再燃することによって一時的に大きく下...
  • 2023/04/26
    賃金が上がるから生産性が上がるのである -原田哲也-
    ―日本株式市場浮上の鍵― 4月13日に連合が公表した2023年の春闘の賃上げ率(第4回集計結果、ベースアップを含む)は平均3.69%と30ぶりの上昇率になった。 厚生省の毎月勤労統計調査を過去に遡ると10年間で名目賃金はたったの4%しか上がっていない。いかに今年の賃上げ率が異次元なものであるかを物語る。 30年ぶりという賃上げ率は勿論、物価の上昇が背景...
  • 2023/04/25
    月並みだがGW前のポジション調整にはご用心 -藤根靖昊-
    先週は日米ともに株価は比較的小動きでした。 米国では週頭(17日)にニューヨーク連銀の4月の製造業景況指数が大幅上昇したことから株価を押し上げましたが、20日のフィラデルフィア連銀の4月の製造業景況指数(20日)は悪化したことやコンファレンスボードの3月の景気先行指数(20日)は前年同期比▲7.8%と景気後退を示唆する内容であったことから警戒が強まりました...
  • 2023/04/18
    FRBはリセッション回避から次回で利上げ打ち止め、経済活動にポジティブな材料に市場は素直に反応する -藤根靖昊-
    先週は日米ともに株価が上昇しました。週間で日経平均株価は975.16円上昇、ダウ平均は401.18ドルの上昇でした。ダウ平均は4週連続の上昇となり、その間の上昇幅は2,024ドルにも達しています。 12日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+5.0%と2月(+6.0%)から大きく低下し、市場予想(+5.1%)も下回りました。13日発表の米生...
  • 2023/04/11
    輸出関連企業には注意が必要 -藤根靖昊-
    先週の米国株市場は週間(週末比較)でダウ工業株は211ドルの上昇でした。金利低下からテクノロジー株が買われる流れがありましたが、景気悪化を示す経済指標から上値の重い展開が続いています。 3日発表のISM製造業景況感指数(3月)は46.3と前月(47.7)より悪化。市場予想(47.5)も大きく下回りました。4日発表の2月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件...
  • 2023/04/04
    日銀短観は23年度減益を見込む -藤根靖昊-
    先週の米国株市場は銀行の経営不安が後退する中で、ダウ工業株は週末比較で+1,036ドルと大幅に上昇しました。ただし、28日の上院公聴会(銀行委員会)においてFRBのバー金融監査担当副議長は、銀行規制・監査の強化に意欲を示しました。資産規模1,000億ドル以上の中堅銀行への資本や流動性に関する規制を厳しくする考えとみられ、5月1日までに銀行規制・監査の見直し方...
  • 2023/03/28
    当局の救済姿勢に揺れる市場、今後は消費者マインド低下が焦点か -藤根靖昊-
    先週の金融市場は銀行に対する信用不安が高まっている中で、金融当局の支援姿勢に揺れました。19日にクレディ・スイス・グループの救済に向けてスイスの最大手銀行であるUBSが30億スイスフラン(約4,260億円)の買収を発表しました。しかし、ほぼ同時にスイス金融市場監督機構(FINMA)が、クレディ・スイスが発行する劣後債の一種である「AT1債」の減損を決定したこ...
  • 2023/03/14
    日本株全体は依然として弱含みを予想、ただし成長株は絶好の拾い場か!-藤根靖昊-
    注目されたパウエルFRB議長の議会証言(7日上院・8日下院)は、「(今後のデータ次第では)利上げのペースを加速する必要がある」、「最終的な政策金利の水準が従来の予想よりも高くなる可能性がある」と事前の予想以上にタカ派的であったことから、7日の米株は大幅下落し、米2年国債利回りは一時5%に達しました。 さらに、8日に傘下にシリコンバレーバンク(SVB)を擁す...
  • 2023/03/07
    不可解な株価上昇。深追いせず利確ポイントを模索へ!-藤根靖昊-
    2日のアトランティック連銀のボスティック総裁による「(次回FOMC:3/21-22において)0.25%の利上げに断固賛成する」との発言に米株市場はポジティブに反応しました。ダウ工業株は2日3日の2日間で729ドル上昇となりました。次回のFOMCで0.5%の利上げの可能性を市場は危惧されていただけに、その可能性を否定するコメントはポジティブに受け止められたので...
  • 2023/02/28
    輸出数量回復がなければ円安はマイナスでしかない、貿易統計をしばらくは注視! -藤根靖昊-
    先週のダウ工業株30種平均は、週末比較では前週比1,000ドル強の下落となりました。①21日にS&Pグローバルが発表した2月の米国購買担当者景気指数(総合)が50.2(前月比+3.4)と8カ月ぶりに節目となる50を上回ったこと。②22日に公表されたFOMC議事録(1/31-2/1分)においては、数人の参加者が0.5%の大幅利上げ継続を求めていたことや...
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