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アナリストコラム一覧

アナリストの知識や経済・業界動向、活動の中で感じた問題意識など幅広い視野でとらえた情報を不定期に『アナリストコラム』を通じてお客様にお届けいたします。

  • 2012/10/26
    小さな部品で世界と戦う -高田 悟-
    先日、東北地方にある大手自動車部品メーカーの工場見学に出かけた。訪問先の工場はガソリンエンジン用インジェクタの生産を主とする。インジェクタとはエンジンの吸気管に取り付けられており、ECU (電子制御ユニット)からの噴射信号に基づき燃料の噴射を行うもので、電気信号を燃料流量に変換するとともに燃料を霧状にして噴射する製品だ。手の平に乗る程度のサイズの小さな部品だ...
  • 2012/10/15
    ライツオファリングの投資機会を考える ?エー・ディー・ワークス(3250)のライツオファリングに際して? -藤根靖晃-
    ライツオファリングとは、上場株式会社が新株予約権を全ての株主に対して無償で割当て、権利行使されることによって資金調達をする手法。全ての既存株主に新株予約権が割り当てられるため、株主の利益保護に配慮されている。株主は権利行使(払い込み)を望まない場合は、新株予約権を市場で売却できる。過去には2010年にタカラレーベン(8897)が実施した例があるのみであり、今...
  • 2012/09/28
    中国の反日抗議と自動車業界への影響を考える -高田 悟-
    今月中旬の尖閣諸島国有化を機に中国で反日デモが拡大した。過去にも日本の国連安全保障理事会常任理事国入りや同諸島沖での漁船衝突事件などをきっかけに反日デモが発生した。しかし、今回の反日抗議デモは100都市以上に及び過去最大だ。加熱化、暴徒化したデモにより一部日本車ディーラーが攻撃された。一時的な販売店の休業や販売促進キャンペーンの自粛などにより日系ブランド車販...
  • 2012/08/31
    コンパクトカー需要増とともに国内生産は外へ外へと向かう -高田 悟-
    三菱自動車の新型「ミラージュ」の発売が本日スタートした。エンジン排気量は1,000cc、CVT(無断変速機)を搭載。3グレードの構成で消費税込みの価格帯は100万円弱から130万円弱まで。軽量化、空気抵抗低減、そしてアイドリングストップ機能(オートストップ&ゴー)搭載などによりガソリンエンジン登録車トップの低燃費27.2km/?を実現した。注目すべきは、「低...
  • 2012/03/02
    水素社会に向けて -溝上 泰吏-
    2/29から3/2までビックサイトにおいて同時開催されていた二次電池展、太陽電池展、水素・燃料電池展にいってきました。太陽電池展のスペースが最も大きく、国内外の企業が参加し、関連製品も出展されるなど活気にあふれていました。太陽電池の発電効率は、従来に比べ改善してきているものの、2割弱と既存の発電設備の効率に比べまだまだ半分以下のレベル。日系企業は、熱エネルギ...
  • 2012/02/24
    ぶつからないクルマ -高田 悟-
    自動車技術において事故を未然に防ぐ考え方をアクティブセーフティと言う。一方、エアバックなど事故が起きた際の被害を軽減する技術をパッシブ セーフティと呼ぶ。横滑り防止装置などがアクティブセーフティ技術の代表格だが、究極のアクティブセーフティ技術とも言える「ぶつからないクルマ」が国内に登場して約2年半が経過している。低速走行時に、前方に障害物などを検地すると自動...
  • 2012/01/27
    再注目されるか、海底資源 -溝上 泰吏-
    最近、新聞紙上で海底資源の記事を目にする機会が増えてきた。来月には、東海沖でメタンハイドレード゙の試掘探査が始まる。それ以外にも、マンガンノジュール、コバルトリッチククラフト層など日本近海に多く、発見されている。海底資源開発は、商業化に向けて進行中であるが、現時点での問題点はいくつかある。まずは、公海上の海底資源の場合、排他的経済水域内と異なり、発見者が開発...
  • 2012/01/06
    自動車市場及び業界見通し2012 -高田 悟-
    世界の新車市場は08年秋のリーマンショックにより一旦6,000万台半ばへ縮小した。しかし、主に新興国での需要増を受け金融危機から僅か3年で新車市場は約1,000万台回復した。11年(暦年)の世界販売台数は7,500万台弱に達したと見られる。この間、中国市場は年900万台程度から1,000万台後半の市場へ急成長を遂げた。足下の販売には失速感があるものの金融危機...
  • 2011/12/09
    将来のエコカー(カーアクションの爆破シーンがなくなる?) -溝上 泰吏-
    東京モーターショーに行って来ました。目的は、今後のエコカーの動向についての情報収集。結論から言うと電気自動車の普及は限定的だとの見方が多く、当面はプラグインなどハイブリッドが伸長し、15年以降は燃料電池車の普及が進むとの見方が多かった。電気自動車が限定的だとするのは、以下の理由による。1)走行距離が短いこと、2)充電に時間が掛かりすぎること、3)電気ステーシ...
  • 2011/11/18
    歴史的な高値圏にあるチタン鉱石について -溝上泰吏-
    スポンジチタンメーカーは、かつて無い原料高を経験している。これまで低位で安定していたチタン鉱石価格が、10年後半からスポット市況が上昇基調に転じた。これを受けて日本メーカーの11年契約価格も前年比4割上昇。なお、下期に各社が割高なスポット鉱石も調達したので年後半の鉱石価格は同6割程度の上昇になる模様(各社今期の業績に織り込み済み)。スポット鉱石の使用割合は、...
  • 2011/09/30
    軽自動車市場活性化により車体軽量化・低コスト生産技術向上に期待がかかる -高田 悟-
    国内の乗用車メーカーで唯一軽自動車(以下軽)を扱ってこなかったトヨタが連結子会社のダイハツ工業からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けトヨタブランドの軽販売に今月から乗り出した。軽はスズキや三菱自動車からのOEMを軸としてきた日産自動車も三菱自動車とのジョイントベンチャーを通じ軽の開発に踏み込む。ホンダは軽乗用車の生産を本体で開始するとともに軽販売拡...
  • 2011/09/09
    10月2日から12年のスポンジチタン契約交渉始まる -溝上泰吏-
    スポンジチタン価格は、国内外とも年間契約される。海外は暦年ベースで、国内は年度ベースであるため、3ヵ月はやい海外価格の動向が国内価格に影響を与えることになります。その海外価格の交渉は年1回(10月初め)米国で行われます。今年はカリフォルニア州サン・ディエゴで期間は10月2?5日です。 本来の目的は、商社、メーカー、ユーザーなどチタン関係者が集まり、世界のチタ...
  • 2011/08/12
    車載用二次電池、マンガン系は意外に短命か? -溝上泰吏-
    自動車でエコカーといえば、ハイブリッドカー(HEV)や電気自動車(EV)が実用化されている。来年にはプラグインハイブリッド(P-HEV)が市場導入される予定です。それらの電源に使われているのが二次電池。初のHEVにはニッケル水素電池が使われ、初のEVではリチウムイオン二次電池が搭載されている。 キーワードはコストと容量ではないでしょうか。HEVはガソリンエン...
  • 2011/07/15
    地熱エネルギーに注目 -溝上 泰吏-
    これまで、原子力発電は安価に大量の電力を供給でき、二酸化炭素の排出がほとんど無いなど、非常に有効なものであった。福島の原発事故以来、放射線問題などから原発に対する拒絶反応がでてきている。日本政府もようやく再生エネルギーに本腰を入れ始めているが、太陽光発電や風力発電では発電量が不安定な上に、発電効率が悪く不安定なため、原子力発電の代替としては現状では不十分であ...
  • 2011/06/17
    太陽光発電、作れば作るほど二酸化炭素排出量が増える!? -溝上 泰吏-
    地球温暖化についての賛否両論はさておき、太陽光発電がメディア等で取り上げられる機会が多くなっている。その多くが、企業のイメージアップのためのPRに使われることが多いように感じる。 太陽光発電の発電効率は1割台(火力発電や原子力発電などは6割以上)とあまりにも低過ぎるのである。そのため、ライフサイクルアセスメント(生産から廃棄するまで)の観点から、単位発電量あ...
  • 2011/06/03
    自動車生産の正常化について考える -高田 悟-
    東日本大震災(以下大震災)からもう少しで3カ月となる。大震災直後は自社工場の一部やサプライヤーの被災により完成車メーカーの国内工場のほぼ全てが操業停止に追い込まれた。被災工場では急修復を終え、部品の調達状況を確認しながら段階的に稼働を上げ4?5月は平均的には大震災前の5?6割程度の工場稼働になったとみられる。 当初、生産正常化にはかなり時間がかかるとみられた...
  • 2011/05/27
    11/3期本決算発表を終えての印象  -高辻 成彦-
    今週までで機械セクターに関しては、11/3期の本決算発表シーズンがほぼ終了した。このところ全般的に株価が冴えない印象だが、何故なのか整理して考えてみたい。 第一は、例年と大きく異なり、東日本大震災の影響が見通せないとして、12/3期会社計画の公表を見送る企業が多く出たことだろう。評価のベースとなる会社計画が存在しないため果たして増収増益基調を維持するのか、減...
  • 2011/05/20
    11年度、国内化粧品大手は転換点を迎えている -高橋俊郎-
    化粧品大手各社は、08年のリーマンショック後も多くの女性の必需品であるため大きな落ち込みはなく、相対的にみると堅調な業績推移であった。しかし、需要減を取り戻せないまま2年が経過している。その一方でドクターシーラボなどの一部メーカーが伸張している。 10年の国内化粧人口は約5,600万人。今後は化粧品人口の減少が予想されるため、国内化粧品市場での伸張は容易では...
  • 2011/04/28
    11/3期本決算発表での注目点 -高辻 成彦-
    今週より、11/3期の本決算発表シーズンが本格的に始まった。特に本日、4月28日は例年と同様に決算発表が集中している。ただし今回、例年と大きく異なる点は、東日本大震災の影響が加味されていることである。通常とは決算も見方が異なって来ることに注意を要する。会社によっては、12/3期の業績予想の公表を見送るところも出て来るだろう。既に何社か未公表としたところも出て...
  • 2011/04/22
    電力不足を新たな成長源泉にしたい -高田 悟-
    東日本大震災(以下大震災)から僅か40日余りだが国内完成車メーカーの国内工場は被災地域も含めほぼ全てで生産が再開した。しかし、各社ともに工場操業は震災前の5割程度に止まりいつ本格稼働となるのかが特定できない。来週から自動車・自動車部品セクターの11/3期決算発表が本格化する。それを前に系列部品メーカーから決算説明会開催の見合わせや電話会議のみへの変更の連絡が...
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