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アナリストコラム一覧

アナリストの知識や経済・業界動向、活動の中で感じた問題意識など幅広い視野でとらえた情報を不定期に『アナリストコラム』を通じてお客様にお届けいたします。

  • 2011/04/22
    電力不足を新たな成長源泉にしたい -高田 悟-
    東日本大震災(以下大震災)から僅か40日余りだが国内完成車メーカーの国内工場は被災地域も含めほぼ全てで生産が再開した。しかし、各社ともに工場操業は震災前の5割程度に止まりいつ本格稼働となるのかが特定できない。来週から自動車・自動車部品セクターの11/3期決算発表が本格化する。それを前に系列部品メーカーから決算説明会開催の見合わせや電話会議のみへの変更の連絡が...
  • 2011/04/01
    どう描く復興後のサプライチェーン像
    東日本大震災の完成車や部品生産への影響が深刻だ。発生から3週間後の現在、当初の再開見通しの延期を図る、一時的に再開はしたが部品在庫不足から再度生産が停止となる、など置かれた状況で生産対応は分かれるが、混乱はとても収まらず、各企業の生産本格回復にはまだかなりの時間がかかるだろう。 震災地を離れ、生産に支障がない工場の生産への影響も無視できない。東海や中国地方な...
  • 2011/03/25
    資源開発と環境保護の両立はできるのか -溝上 泰吏-
    眼にする機会が増えた"リチウム"、従来は耐熱ガラス向けが中心だったが、90年代以降にリチウムイオン電池が登場以来、急拡大し現在の主途別は、電池向け(需要の23%:09年)がトップとなっている。 リチウムは、鉱石から採取する「山リチウム」と塩湖から採取する「海リチウム(かんすい系)」に大別でき、供給量の6割を海リチウム(地表の7割を占める海水からも取れますが、...
  • 2011/03/11
    日本はどうして高品質スポンジチタンを安定的に生産できるのか? -溝上 泰吏-
    2000年頃から、国内外の機関投資家へのプレゼンで、わが国のスポンジチタンは高品質が安定的に生産でき、それらが民間航空機のジェットエンジンに使われているとの説明をしてきました。決まって、返ってくる質問は、どうして日本メーカーだけなのか、海外メーカーはキャッチアップできないのか、といった内容です。 そのとき私は、最初にスポンジチタンの歴史についてお話しています...
  • 2011/03/04
    原材料高にどう向き合うか、解決力が試される -高田 悟-
    タイヤメーカー大手から中期的成長戦略として「ハーフウェイト」という目標が打ち出されている。原材料使用量半減を目指すイノベーションである。タイヤの強度や耐久性を維持しつつ資源活用量を大幅に落とすことのハードルは大変高いと聞く。とはいえ、「ハーフウェイト」という高い目標を掲げ開発に取り組む過程の中で得られた技術はランフラットタイヤや低燃費タイヤなどの高付加価値タ...
  • 2011/02/25
    レアアース(希土類)、中国依存からの脱却急務だが… -溝上 泰吏-
    中国の日本向け希土類の輸出が停止になって以降、各メディアでレアアース、希土類の文字を見ない日がなくなった。最近ではレアアース生産拡大計画が降って湧いたようにでてきた。しかし、よくよく考えると、そもそも鉱山開発はかなりの時間がかかるもの。新鉱山が生産開始ということは少なくとも数年前までに探査が終了し、商業化(FSなど)できるかの調査を終えてなければなりません。...
  • 2011/02/18
    現政権の経済政策に関する考察  -高辻 成彦-
    今回は機械セクターという枠に縛られず、現政権の経済政策について論じてみたい。このところの経済政策について、私は不安を覚えている。その理由は、経済成長の促進よりも、財政再建を優先させる動きのように見受けられるためである。 去る1月24日に「平成23年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度?新成長戦略実現に向けたステップ3へ?」が閣議決定された。これによれば、...
  • 2011/02/04
    再び成長軌道の米国、日本勢はどう戦うか -高田 悟-
    国内完成車メーカーの決算(4−12月期)発表が本格化する。金融危機を経て筋肉質となり、新興国の新車需要拡大と国内の公的支援を追い風に各社ともに11/3期は大幅な業積改善が見込まれる。業積は堅調だがグローバル販売競争は決して芳しいとは言えない。疾走する中国市場では販売好調とはいえ、GM、フォルクスワーゲン、などの欧米勢に比べ出遅れが目立つ。また、回復基調の米国...
  • 2011/01/21
    KAITEKI化学 -高橋 俊郎-
    昨夏、私は「日本の化学企業は中長期にどのような方向性を志向するべきか」を漠然と考えていた。当時、ネットで元サムスン電子常務の吉川良三氏「サムスン電子の躍進に学ぶ、グローバル市場を見据えたものづくり」のインタビューを読んだ(http://www.globis.jp/1393-1)。韓国企業の考え方や日本企業の問題点などを指摘する内容で強い印象が残っている。 化...
  • 2011/01/14
    2011年、穀物相場はレンジを切り上げる展開へ -陳 晁熙-
    1月12日にUSDA(米農務省)は1月需給報告を発表した。2010/11年度の米トウモロコシ期末在庫見通しを7億4500万ブッシェルと、前月の8億3200万ブッシェルから下方修正した。これは市場予想平均の7億7900万ブッシェルを下回る水準となった。在庫率は前月予想の6.2%から5.5%へと低下し、需給逼迫感がさらに強まった。また、同年度の米大豆期末在庫見通...
  • 2011/01/07
    軽で優位に立つものが世界の自動車を制す -高田 悟-
    地方を中心に根強い人気がある軽自動車(以下軽)の販売競争が激化しそうだ。トヨタ自動車が子会社ダイハツ工業から車両供給を受け来秋から軽市場への参入を表明した。続いて、従来スズキからOEM供給を受けてきた日産自動車も三菱自動車との提携の一環として、軽の共同開発に踏み込む。折半出資の合弁会社を通じた共同開発車を今後投入の方向だ。 排気量660cc以下の軽市場は90...
  • 2010/12/24
    エレクトロニクス業界:2010年の回顧と2011年の展望 -服部 隆生-
    2010年の半導体市場は全体では年間3,000億ドルの大台に乗せ、3年ぶりに過去売上記録を更新しそうだ。前年比3割を超える増収率はITバブル期の2000年以来である。ただ、個別に見ると、スマートフォン向けなど旺盛な需要を背景にNANDフラッシュは価格環境も良好な一方、4月頃まではスポット価格(DDR3 1Gb)が3$を超えていたDRAMは夏場以降価格下落が加...
  • 2010/12/17
    2011年、資源国通貨である豪ドルに注目 -陳 晁熙-
    2010年は中国経済が注目された年であり、2011年も同国経済の成長が世界経済に大きな影響を及ぼすとして引き続き注目されよう。先週末に中国の11月CPIが発表された。前年比5.1%と高く、その他、PPI、小売り、鉱工業生産、固定資産投資なども強い数字となった。既に10日に預金準備率を0.5%引き上げて19%としたが、さらに先週末の中央経済工作会議では、インフ...
  • 2010/12/10
    スマートフォン? ガラートフォン? -鈴木 崇生-
    2010年のヒット商品番付(日本経済新聞。日経MJヒット商品番付)で横綱にスマートフォンが選出された。iPhoneが代表格と言えるだろうが、誌上を賑わしていることでもあるし、各社のスマートフォンを販売しようとする戦略も明瞭であるから、この単語を耳にした人も多いだろう。 ただし、このスマートフォン、言葉では一括りにされているが中身は大別して2つあることに注意す...
  • 2010/12/03
    2018年度以降の商業化に向けて海底資源探査が活発化 -溝上 泰吏-
    海底資源探査が活発化している。太平洋の公海上ではロシア、韓国、中国などが探査を始めている。わが国は、2018年度以降の商業化に向けた調査が始まっている。第一期前半3カ年プロジェクト(?2010年度)が始動しており、㈰環境ベースライン調査、㈪環境影響予測モデルの開発、環境保全対策の検討が行われている。排他的経済水域内の開発は、申請の早いもの勝ちであるが、公海上...
  • 2010/11/26
    電動バイクは縮小する二輪車市場の救世主となるか -高田 悟-
    自動車・自動車部品アナリスト 二輪の世界で電池とモータで走り、原付第一種(50cc以下、以下原付)に区分される電動バイクの販売競争が四輪電気自動車に先行して始まった。今春、家電量販店が省エネ家電の一つとして、中国の部品を使いベンチャーが組立て鉛電池を積んだ電動バイクを価格14万円弱で発売を開始したのを皮切りに家電量販店の電動バイク販売への参入が相次いだ。これ...
  • 2010/11/19
    ファンダメンタルズよりテクニカルより、資本の都合 -陳 晁熙-
    米国の金融緩和の拡大によりドルが市場にあふれた。低利のドルを借りてリターンの大きい株式相場や商品相場、高金利通貨に投資する「ドルキャリートレード」が行なわれた。その積み上がったポジションは、11月のFOMC(2?3日)が終了した1週間後にほぼ解消されている。具体的に見てみよう。 秋相場が9月1日に開始したとする。NY金は1176.7ドルが11月9日の1424...
  • 2010/11/12
    大手不動産会社の上期決算にサプライズはなかった -堀部 吉胤-
    大手総合不動産会社の上期決算が出揃った。総じて特段のサプライズのない決算だった。全社的な傾向としては、マンション販売は、想定以上に非常に好調な一方、オフィス賃貸は、空室の埋め戻しに想定よりも時間がかかり回復が遅れ気味となっている。結果、マンションの販売経費が想定より少なく済んだことなどから上期の決算は期初予想を上回ったが、通期予想は保守的に据置きという形にな...
  • 2010/11/05
    日経平均を象徴するもの -藤根 靖晃-
    注目された米FOMCも波乱無く終わり、毎月発表される米国経済指標と為替レートを睨む展開に再び戻りそうだ。第2四半期決算においては、前期からの反動増によって見かけ上は好況であった企業業績も、緊急経済対策による補助金が剥げ落ち、国内景気減速が明確になる中、下方トレンド入りが懸念される。 日米の金融緩和による金余りから金融相場による株高を支持する見方も一部にはある...
  • 2010/10/29
    出遅れた資源戦略、技術力でカバー -溝上 泰吏-
    わが国の資源戦略は、高度経済成長期に必要とされ、"鉄は国家なり"に象徴されるように、鉄鋼関連の資源と2度にわたるオイルショックを経てエネルギー関連に重点を置かれてきた。今回、わが国のアキレス腱とも言われるレアアース(希土類)で事件が起こった。レアアースは産業のビタミンと言われ、わが国の先端技術において不可欠な素材である。それ自体の使用量が少ないが、製品の性能...
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