メニュー

アナリストコラム一覧

アナリストの知識や経済・業界動向、活動の中で感じた問題意識など幅広い視野でとらえた情報を不定期に『アナリストコラム』を通じてお客様にお届けいたします。

  • 2010/09/10
    電気自動車に磁石は必要ない!? -溝上 泰吏-
    世界最強の磁石は希土類磁石といわれ、中でもネオジ系焼結磁石が最も性能が優れている。その原料となる希土類は、世界の9割以上を中国が生産している。中国の経済成長に伴い、自国で自動二輪車の需要が高まっていることに加え、環境問題(特に中国南部)から希土類の産出量を規制している。更に中国の新興メーカーが、電気自動車への参入を相次ぎ発表。世界的に希土類磁石の需要が高まっ...
  • 2010/09/03
    スポンジチタン価格 -溝上 泰吏-
    スポンジチタンの価格は2つあります。品種によって価格帯が異なり、全く別の動きをします。スポンジチタンは、品質により低品質、中・高品質に分けられます。中・高品質は金属チタンとなりますが、低品質は鉄鋼の添加材や粗鋼生産時に鉄鉱石から酸素を取り除くための脱酸用に使われます。このため、低品質のスポンジチタン価格は世界の鉄鋼需要の影響を受けて変動します。そのうえ、市況...
  • 2010/08/27
    15年ぶりの円高下、痛感する内需振興の重要さ -高田 悟-
    米国雇用統計悪化を機に円高が加速、今月に入り1米ドル85円を割り込んだ。円高は足下一服しているが抑止に向け明確なメッセージがない中、消去法で円が選好され95年につけた過去最高値を見に行く可能性は否定できない。2年程前より1米ドル100円を割り込み進む円高が自動車業界の業績を圧迫している。09年度の国内大手完成車メーカー7社の営業利益は前年度の赤字を脱却し合計...
  • 2010/08/20
    REITが内部留保? -堀部 吉胤-
    8月13日付の日刊不動産経済通信(不動産経済研究所が発行)は、馬淵澄夫国土交通副大臣がJ-REITの内部留保の仕組みを見直したい考えを明らかにしたと報じた。同紙と住宅新報社との共同取材に応じた際の発言で、国交省の総意になっているかは定かでない。 J-REITは導管性要件である90%超の配当を行うことにより法人税を免除されており、上場J-REITは原則100%...
  • 2010/08/13
    日経平均の株数を知っていますか? -藤根 靖晃-
    日経平均の株数は?と聞かれて答えられる人はまず居ないだろう。そもそも日経平均は株価の単純平均をダウ式という除数で増資や権利落ちを調整した指数であり、株数など存在しない(あるわけがない)と殆どの人が答えるに違いない。その答えも確かに間違いではない。 しかし、一定の前提の下に理論値(株数)を計算することも可能である。日経新聞の「マーケット総合」面に毎日、日経平均...
  • 2010/08/06
    還暦迎える日経平均株価。古稀は明るく御祝いしたいものです −岸 和夫−
    山高ければ谷深し。株式相場は「行って来い」の30年日本の代表的な株価指数である日経平均株価(以下、日経平均)が、今年の9月で60周年を迎えるそうだ。人間で言えば還暦である。1950年9月7日に算出・公表が開始され、その値は110円82銭。筆者は80年4月に、この世界に足を踏み入れたが(その頃は日経ダウと呼ばれており、6,500円程度であった)、丁度半分の30...
  • 2010/07/30
    EV電池標準化、過ちを繰り返すな -高田 悟-
    走行中に温暖化ガスを出さない電気自動車(EV)は次世代自動車の本命と見られている。EVはガソリンエンジン車に比べ構造がシンプルでもあり、原油高騰時に過去数回ブーム化しかけた。ただし、二次電池の重量や能力が障害となりその都度直ぐに鎮静化した。しかし、大容量かつ小型で軽量のリチウムイオン二次電池が現われ、車両への搭載が可能となったことでEV本格普及に向け視界は今...
  • 2010/07/23
    機械セクターの11/3期1Q決算の注目点 —高辻 成彦—
    次週より11/3期1Q(4-6月)決算説明会シーズンが本格開始となる。決算発表直前だが、機械セクターの1Q決算の注目点を大胆にも考えてみたい。1Q決算における機械セクターの注目点を列挙すると、・投資の強さが持続するか(半導体製造装置)・国内自動車産業の設備投資需要が戻るか(工作機械・産業用ロボット)・中大型機の需要が戻るか(工作機械)・小型機の需要拡大が持続...
  • 2010/07/16
    産業ビジョン2010?機能性化学について? -高橋 俊郎-
    6月3日に経済産業省から産業構造ビジョン2010が発表された。環境・エネルギーから文化産業、医療・介護・健康・子育てサービス、先端分野など幅広く提示されている。その中の先端分野の中に機能性化学の記述がある。機能性化学分野の総括はおおよそ次のように書かれている。(1)我が国機能性化学は、1つ1つは小さな市場ではあるが、クラスター的に多数の市場でシェアが高く、競...
  • 2010/07/09
    どうなる国内の自動車生産と自動車産業 -高田 悟-
    今年に入り5月までの5カ月間に国内で398万台の自動車が生産された。昨年1?5月の生産が263万台であったので、前年に比べ約5割の増加である。リーマンショックを背景に急激な在庫調整、減産に見舞われた前年に比べ生産は大きく回復した。とはいえ足下の生産水準はピークを迎えた2年前のまだ8割程度に止まる。果たしてこのまま回復を続け生産はピーク時のレベルまで戻るのだろ...
  • 2010/07/02
    自動車の構造変化が変える電機の経営戦略 —服部 隆生—
    筆者は民生・産業電機、電子部品などエレクトロニクス分野をアナリストとして担当しているが、今回は自動車市場を電機セクターの視点から見ていきたい。半導体の使われるアプリケーションとしてはPCや携帯電話の二つで大半を占めるものの、近年は自動車分野が徐々にポジションを高め、現在は金額ベースで1割前後を占めている。カーナビなど情報系から、制御系、ボディ系など幅広く使わ...
  • 2010/06/25
    スマートフォンで存在感を示せない日本企業 —鈴木 崇生—
    iPhone4が発売された。行列の出来た店も中にはある模様だ。話題性はiPhone4が勝ると見られ陰に隠れるような形となっているが、KDDIからはISO2が発売され、KDDIのスマートフォンに対する言説が記事となった。4月にNTTドコモから発売されたXperiaは販売台数でiPhoneと肩を並べるなど、スマートフォンへの関心がメディア、ユーザーともに高まって...
  • 2010/06/18
    二酸化炭素、発電時に放出しなくとも、製造工程で大量放出では意味あるの!? −溝上 泰吏−
    地球温暖化といえば、二酸化炭素、発電(電力)と連想されます。クリーンエネルギーの代表として太陽光発電や風力発電など新聞やテレビ、雑誌などで眼にする機会が増えました。しかし、私はライフ・サイクル・アセスメント(製造から廃棄までの間の環境負荷...この場合、二酸化炭素の排出量...を考慮したもの)の観点から火力発電所に次いで悪い太陽光発電や風力発電を高く評価でき...
  • 2010/06/11
    欧州危機の不動産業界への影響は限定的か? -堀部 吉胤-
    足元の不動産業界の業況は、総じて上向いている。大手総合不動産会社の主力事業であるオフィス賃貸は、空室率が都心のS、Aクラスビルでは既に底を打ち、全体でもほぼピークを迎えつつある。賃料の底打ちは空室率のピークアウトから1年近く遅れるとみられるが、シクリカルな動きの中では大底を脱しつつある。マンション販売は、昨年の年初から明るさを取り戻し、足元は活況といっても過...
  • 2010/06/04
    日本は”円高”から自力で脱出はできないのか!? −藤根 靖晃−
    円高は何故起こるのだろうか?為替レート決定は教科書的には資金決済需要、金利(インフレ率)裁定、国際収支の不均衡、購買力平価説、フロー・アプローチ、アセット・アプローチなどが書かれている。近年は実質金利格差が影響力を持っているようだが、どれか一つが決定的な説明要因とはなっていない。日本は"為替"に対する政策の存在しない国である。これまで米国の意向に振り回されて...
  • 2010/05/28
    新興国の台頭と車づくりの潮流の変化 −高田 悟−
    PC市場でインターネットやメイルに機能を絞ったネットブックが大流行した。基本機能を備え超廉価であることがユーザーに支持されノートPC購入時の選択肢として定着した。普及の直接的背景はハードウェアの性能向上に加えインターネット上でコンピュータ処理やデータ保管などの大半が可能となったことによる。直接繋がりはないが発展途上国で教育普及を主眼とした「100ドルPC」導...
  • 2010/05/21
    ギリシャ財政危機は、対岸の火事か −岸 和夫−
    ギリシャ発ユーロショックギリシャの財政危機に端を発したユーロショックが、世界の株式市場、為替市場を震撼させている。処方箋(金融支援策)は発表されたものの、まだまだ余震が続くことは覚悟しておいた方がいいだろう。EU欧州委員会によれば、2009年のギリシャのGDP(国内総生産)に対する財政赤字率は13%。ギリシャに次いで危ないと言われているスペインで11%、ポル...
  • 2010/05/14
    機械セクターの今後の注目点 −高辻 成彦−
    4月下旬より10/3期本決算説明会シーズンが始まった。今週?来週が決算説明会のピークである。まだ全ての担当企業の本決算が出揃ってはいないものの、機械セクターの本決算から今後の注目点を考えてみたい。先ず、既に決算発表され、レポート配信を終えた担当企業の状況から本決算のポイントをまとめると、<半導体製造装置>・機械セクターの中で最も回復力があり、受注拡大の持続性...
  • 2010/05/07
    強い会社の共通点?信越化学工業とJSR? −高橋 俊郎−
    担当している企業の中で、「強い会社」と感じる会社がある。信越化学工業(4063)とJSR(4185)だ。この2社は面白いことに個人株主比率が少ないことも共通点である。JSRの個人株主比率は09年9月末6.8%、信越化学工業は同5.7%。ちなみに総合化学各社は、旭化成(3407)同23.6、%昭和電工(4004)同31.3%、住友化学(4005)同19.0%、...
  • 2010/04/30
    新興国の保有急増、その驚異とリスク  -高田 悟-
    最近起きている大きな変化の中で中国の自動車(四輪車)保有台数の急拡大が注目される。2004年に26百万台であった保有は2008年に50百万台を超えた。かつての先進市場での自動車普及に比べ僅か数年で倍増し普及スピードは驚異的だ。WTO加盟、開放政策、そして所得増が相俟って保有拡大に弾みがついた。しかし、無秩序な保有増は農地の砂漠化や水問題を加速させ、原油輸入拡...
TIW マガジン「投資の眼」TOPへ戻る